第11章 実験。
下を見るとまた、真っ白になっていた。さっきまで土が埋め尽くしていたのに。隅も土はなかった。
30秒経過。さっきはこのくらいで土がやってきたな。次は何だろう。
目を閉じて感覚を研ぎ澄ます。
パチパチパチパチパチパチ
なんだろう。この音。そしてこの匂い。焦げ臭い……。
火だ…………。
そう思った瞬間、自信はなかったが逃げなければいけないと思った。
しかし、部屋は真っ白だし、当たりに何もない。
とりあえず、火がきたら逃げれるような態勢をとる。
案の定部屋の隅から人が出てきて、
「“splash flame”!!!!!」
と叫んだ。うおおと思ったがまた態勢な戻る。
するとその人の手から炎が出てきた。その炎をお手玉みたいにくるくる回す。
「せいやああああっ!!」
と言ったら炎が飛んできた。
走って逃げる。
が、次々に飛んでくるから避けきれず当たってしまう。
「あっつ!!!」
肩の部分に当たった。服が焼け焦げている。
もう駄目かもしれない…と思った瞬間
ビーーーーーーーーッ
とブザーが鳴った。
何事だと思って上を見上げる。
「はいはい、そこまで!終了ね。怪我大丈夫?」
「へ……あ、ちょっと痛い…ですけど、我慢できます。」
と答える。
「あー、駄目駄目。次の実験に支障が出るかもしれないからね。」
また何かのスイッチを押す。するとドアから全身真っ白な人たちがやってきた。顔は布がかけてある。
僕のほうまで来て、僕の肩の上に手をやって何かを念じているようだった。
すると、みるみる血が真っ白な人の手の中へと移る。
と同時に、痛みも消えていく。最初から怪我なんてしてなかったみたいだ。
「あ、ありがとう……ございます。」
真っ白な人たちは帰っていった。
「怪我はもう大丈夫そうだね。にしても君、鼻の能力、すこーしありそうだね。」
班長が呑気に言う。
「そうですかね?」
も言うと
「うん。だって猿飛三月が出てくる前に気づいたでしょ?」
猿飛三月………この、炎の能力者の名前か。
「じゃあ、俺の役目も終わったし帰ろーっと。」
と言って三月は炎のように、消えてった。瞬間移動のようなものか。
「んじゃあ次の実験ね。」
また真っ白な地面に戻る。