第8章 猫。
猫目の男は写真をヒラヒラさせたまま、
「これさ、バレたら…ねぇ?頭のいい君ならどうなるか、分かるはずだよ。」
不気味な笑いで言う。
「誰だ…?」
「そうだなぁ…まず、お前らGogglesに対抗する組織があるのを知ってる?」
僕はブンブンと首を横に振った。というか、そういうのポロリと言っていいのか。まあ、続きを聞く。
「まあその組織の会議ん中でさある話題があがった。それは、
お前たちに何か能力がある
のではないか、ということだ。」
能力………。初耳だ。実際感じたこともない。
「能力………?」
「そ!まだ具体的には分かってねぇみたいだけど。だから実験体を1人持って来いってなったわけよ!
それを持ってくるのが
第1班、調査実行係の斑目一月
つまり俺の仕事なわけ!ま、他にも仲間はいるけどな。」
実験体……調査実行係……斑目一月……
どれも初耳のことばかりだった。そして、実験体を1人……ってことは、その実験体になるのは……
僕か。
「もう分かってるだろうから、さあ!おいでよ、組織へ。痛いことはしない……からさ、多分ね。」
一月はニヤリとした。早く逃げて皆にこのことを報告しなければ……。
歩きだそうとした瞬間、
「“Icatch it with a leaf”」
一月は何かを言ったようだが小声だったので分からなかった。
しかし、何かを言った瞬間足に葉が巻ついてきた。
「!?!?!?」
足だけではなく、今度は体中に。首にまで巻ついてきたので息が苦しい。
「はあ…あ゛……は…。」
「あ、人目なら気にしないで!これは一般人には見えないから。」
と言いながら僕の身体を持ち上げ一月のところまで持っていき一月に抱えられた。それと同時に葉に開放されたので息が出来るようになった。
「はあっ…はあっ…」
「あ、そんなにきつかった?ごめんごめん!今から組織に行くからね〜。多分暴れたり反抗的な態度をとったら一発アウトだよ。」
と言いながらプールのフェンスを飛び越え家の屋根を次々に飛び越えて行く。