第8章 猫。
だが男たちもなかなかしつこい。
また腕を掴んできた。
やめろと言おうとしたとき、
「あー、ちょっとちょっと…うちの連れに何やってんの?」
と現れたのは、魁人でもなく優でもなく晃司でもなく藍子。でもない。
見知らぬ男。髪は黒くて猫目…。見覚えなどまったくない。
とりあえず、うちの連れってのは間違っていることだけは分かる。
違う!と言おうとしたとき、猫目の男は口に人差し指をあて、シーッというポーズをした。
今はこの連中から逃れるのが先か…。
「えー、もう彼氏がいた感じ?」
「ざーんねん!」
と言いながら帰ってった。彼氏…ってのには納得いかないが。
まあ帰ってったからいっか、と思いまたイカ焼の店へと進みはじめる。
「待ってよ。」
猫目の男の声が後ろから聞こえてくる。
「…なに?」
振り向くと猫目の男は1つの写真を持っていた。
「これ、覚えてるー?」
よく目を凝らして見ると、その写真は
あんときの…僕が殺した、部員だ。
「な、なんで……。」
焦った。何故、こいつがこんな写真を…。どうやって?いろいろ頭で考えてたら頭が混乱しそうだ。