第7章 練習試合!
烏野ももちろんいつも以上の力を発揮してるはず。
動きもいつもよりいいくらいなんだけど・・・。
音駒の安定感に一歩及ばない感じ。
全員一気に動いてきて誰がアタック打つのか惑わされたり、バックアタックかと思いきやAクイックだったり、昔テレビで見たことある1人時間差だったり。
コート内が常に安定してるからこその攻撃のバリエーション。
ものすごく勉強になるなぁ。
試合が始まってからと言うもの、メモが止まらない。
貴重な他校のプレイスタイル。猫又監督の解説。
マネージャーとして、しっかり勉強して烏野の戦力に取り入れられそうな物は取り入れていく。
「お嬢さん・・・。鈴さんは、元々バレーをやってたりしたのかな?」
『あー、いやぁ。こんな図体の癖にちょっぴり体弱いみたいで・・・。体力作りの水泳しかスポーツはしたことないんですよ』
「ほぉ・・・」
『母親はママさんバレー、姉も中高大学と、バレーをやっていたので見ること自体は大好きですよ!』
「そうか・・・。機会があれば、君もボールを触ってみるといいよ」
私の熱の入りように猫又監督が聞いてきた。
中学から周りによく言われた。
バスケもバレーもやらないなんて勿体無い。
自分自身が1番わかってるし、少しこの体を恨む。
「スポーツ全くやれないわけじゃないんだろう?体が弱いからと、絶対にやっちゃいけないわけじゃない。もし興味があるなら遊びでもいいから始めてみなさい」
ずっと誰かに言われたかった言葉。
まさか他校の監督に言われるなんて。
少しソワッとした気持ちになりつつも目の前の試合に意識を戻す。
気づけば音駒が、20点代にのる。
「ふっふっふ・・・、焦りがダダ漏れじゃねぇか」
猫又監督が烏養さんを見てニヤニヤする。
「パワーとスピードでガンガン攻めろ!」
「力でねじ伏せろってことだなァ!?」
そんな焦りも吹き飛んで、いつもの烏野プレイスタイルに戻していく。
そうだ、出来ることを全力で。
悪役顔の烏養さんと龍先輩。
つられて士気が上がる烏野の反撃開始だ!!