第7章 練習試合!
烏野は翔陽のアドリブに合わせようと、作戦会議をしていた。
「あのチビちゃん、挫折とかしらないのかね?」
「多分翔陽はどんどん新しいことを試してくると思う。でもすぐには上手くいくわけじゃないから、とりあえず今まで通りで様子を見よう、犬岡」
「おす!追いかけ続けます!」
黒尾さんが烏野の方へ目をやりながらぼやくが、狐爪さんは当たって冷静だ。
試合再開
飛雄は、何度も翔陽へトスをあげるが、中々タイミングが合わない。
試合ならとっくに交代させられてると思うが、ここは練習試合。
成功するための失敗を繰り返しているんだろう。
部内だと翔陽の速攻に追いつける人も中々いないし人数も少ないから試合形式での練習も難しい。
今、着実に経験値を積むことは何よりも大切だ。
なんだか挑戦し続けた結果ーーーーーー
スパンッ
翔陽が手首を曲げブロックを避けたボールが勢いよく音駒コートへ。
『避けた・・・』
が、惜しくもアウトになった。
『あー・・・。でもすごい!ドンピシャ手の平って感じ!』
「すげぇ・・・。すげぇな!ショーヨー!!!」
「・・・もう一回」
興奮する犬岡さんを目の前に、翔陽の集中は切れてない。
逆転開始になるかな・・・?
スカーン
が、そう上手くいくはずもなく、次のボールは翔陽を飛び越え向こう側に落ちていく。
トッ
翔陽のそばにいた大地先輩がすかさずボールを拾い、フォローする。
すごい。なんか・・・。
『音駒みたい・・・』
音駒はレシーブがとにかく上手い。
繋いで繋いで、隙を突く。
烏野は高火力ゆえ、その攻撃でとにかく攻めるプレイだと思ってたけど、大地先輩や夕先輩が必死に繋いでフォローして、翔陽たちを支えてる。
「よく見てるじゃないかお嬢さん。もしあの2人があの速攻と、最初の変人速攻を使い分けられるようになれば・・・その時は、鬼に金棒じゃなくーーーー鬼と鬼だな」
『鬼と鬼・・・。なんか、強そうですね!』
「実際強いんだよ、鬼に金棒よりも。それぞれが個人でも戦える」
『はい、そうですよね!楽しみだなぁ』
猫又監督に解説してもらいつつ、試合に見入ってしまう。
これは全国行きも夢じゃないんじゃないか!?