第5章 リベロとエース
「ローリングッサンダァァァ!!!」
次の日の放課後、部活に行くと夕先輩がそう叫んで華麗な回転レシーブをする。
元気だなー。
「・・・あ、うん。ナイスレシーブー!」
「普通の回転レシーブじゃねーか、サンダーどこ行った!」
「コラー、変なこと叫びながら動くんじゃないよ、危ないよー」
「何で叫んだんですか?」
「・・・何、今の・・・」
「ブフッ」
各々の部員の感想が飛び交い、バカにしたような様子の1年3人が夕先輩に怒られている。
『でもちゃんとカゴにボールが返っていくってすごいですね!かっこいい!!!』
「お、おおお!!永瀬にもこのかっこよさが分かるか!」
1年3人から(えぇー・・・)という視線を投げかけられる。
技術があれば何でもカッコよく見えるじゃんか。
そして感動したように、嬉しそうにはしゃぐ夕先輩。
子供みたいで可愛いな。
でも、レシーブの精度がすごい。
やっぱり天才リベロって名前は伊達じゃないんだ!
ガラッ
「おつかれさまーっ」
顧問の武田先生がやってきた。
何か嬉しそうな顔してる。
「みんな今年もやるんだよね!?GW合宿!!」
「ハイ。まだまだ練習が足りないですから」
!!!合宿!
やっぱり運動部には合宿があるんだ。
何だか楽しそうだなーと、ソワソワする。
「それでね。・・・GW最終日、練習試合組めました!!」
「た、頼もしいな武ちゃん!!どうしたっ」
「あ、相手は・・・?」
「東京の古豪、音駒高校」
話に聞くと、音駒高校、通称:ネコ
烏野高校の昔からのライバルで、練習試合があると、名勝負[ゴミ捨て場の決戦]と呼ばれ近所の人たちが集まってきていたらしい。
蛍は「それほんとに名勝負なんですか?」ってツッコんでたけど。
かつてのライバルとの再戦に気合が入るメンバーたち。
そーいえばエースの人って戻ってこないのかな?