第3章 どうなってるの*
背中を這う手が熱い
自分の熱なのかレイの手の熱さなのかわからないぐらいピタッと溶け合う感覚がする
背骨をツゥっと這う指先に息が漏れる
ギュッと抱きしめられながらも感覚が集まる感覚にフワフワとしてくる
唇だけだったキスは耳や首、鎖骨などを弄ぶ
「んっ レイ...」
そう名前を呼ぶと唇が離れていく
ふとそれを目で追ってしまう
「...」
名前を呼び返されドキッとする
「...レイ...好き」
今だったらこの思いを伝えられる
今だけ
これが終わったら元通りに
こんな惨めな思いはもうたくさん
綺麗に忘れて素敵な人と出会うんだ
そう思うと涙が出て止まらない
頬を流れる涙をレイが拭う
「泣くな...」
「ん...レイ... 好き...大好き... お願い...忘れさせて」
最後のお願いをかき消すようにキスが降り注ぐ
「忘れさせない... お前にもう嘘はつかない。思い出なんかにされてたまるか」
ぼうっとした頭で言葉が処理しきれない
「んっ レイ も...っとぉ...」
腕を回し求める
そんな私の行動はいとも簡単にレイに飲み込まれる