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ネジを弛めたサドルに跨がる瞬間【弱虫ペダル】

第14章 初体験までの長い長い道程【泉田*裏】


「怖いっ…」

そう言って初体験への流れを断ち切ってしまったのは、けして塔一郎が悪いわけではない。きっと塔一郎とならこういう事になるだろうと覚悟していたし、塔一郎にならいいって思っていた。

キスをして、生まれたままの姿を見られ、あちこち撫でられて。私も私なりに昂っていよいよって時に、指より大きなソレが視界に入って怖じ気づいたのだった。
焦るつもりはないから、が大丈夫って時まで待つから、と優しい言葉と甘いキスをくれたけれど申し訳なくて。ごめんねと泣いてしまった私を見ても鎮まらない塔一郎のジュニアが脚に当たっていて、罪滅ぼしじゃないけれど、塔一郎の好きにしていいよと言ったらなんだかおかしな状況に陥った。

「っはぁっ…っ…」

端からみたらなんとも滑稽な姿だろう。全裸の私に覆い被さりキスをしながら私の入り口と塔一郎の先端を触れあわせているのに、塔一郎に快楽を与えているのは本人の右手。

経験のない私が思ってたのはソレを私が握るとか舐めるとかそういう事であって、こればかりは全く予想していなかった。
ただじっとしているだけで手持ち無沙汰な私はギュッと枕を掴む。

気持ちがいいのか眉間にシワを寄せて息を荒くしている塔一郎を見るとこっちの方が恥ずかしくなって顔を逸らした。だってこれって、実は見られたくないであろう行為なわけで、しかも私は俗に言うオカズというやつで、そんな塔一郎を直視できるような覚悟は持ち合わせていない。行為よりもずっとアブノーマルに感じた。



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