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ネジを弛めたサドルに跨がる瞬間【弱虫ペダル】

第13章 欲情の夏【金城*裏】


もどかしさを感じていた最奥に先輩のが届くともうお腹の中がいっぱいで、心も身体も満たされてるはずなのにもっと先輩を感じたくて仕方ない。それを人は欲情というのだろうけれど、もっと深い、重い何かがあるような気がしている。

「ふぅ、んっ」
「動いていいか?」

こくこく頷くとゆっくり動き出して、その都度濡れきったそこが音を立てた。けして激しくはしない彼の行為がたまらなく好きで、やっぱりす慣れない。
イッたばかりの中が先輩の形になるように収縮して締め付けているのがわかる。そんなに締め付けるな、と言う余裕のない笑顔はきっと私だけのものだ。

「あぁっ、先輩っ…」
「ん?」
「好き…好きですっ」

すがり付くようにキスをせがんで、言い返そうとする先輩の唇をふさいだ。言わせない。聞いてあげない。意地悪な先輩への仕返しなんてこんなことくらいしかできないから。
身体の奥からまた何かが込み上げる。多少ペースを上げる先輩の動きに合わせて吐息混じりに喘ぐしかできない。
強く最奥を突かれた瞬間また目の前が真っ白になった。引いたはずのお互いの汗が混ざりあって身体を滑らせる。固い胸板が私の胸に乗っかって、全身で先輩の重みを感じるとまたたまらなく愛しさを感じた。深い呼吸が耳にかかって身震いがして、そんな私をやっぱり先輩は笑う。

「もう、笑わないでください…」
「はぁっ…今日のはいつもと違うな」
「なにが、です…?」
「凄くよかった」

いつもの余裕がなくなるくらい?なんて笑ってみせたら、そうだなって言って今日一番甘いキスをくれた。頬と頬を滑らせてきつく抱き締めあって、熱が引くのを待ちながら、このまま眠ってしまいそうなくらいゆっくりした時間を過ごした。
遠くでセミの声がするけれど、それさえ心地よさを感じるくらい。


fin.
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