第11章 彼女が寝違えましたようで【荒北】
「んっ」
「痛いノ?」
「はぁ、大丈夫…」
ゆっくり、ゆっくり。私の様子を伺いながら頭を動かす。ピキッと強い痛みを感じてはそこで止めてじわじわした痛みが広がっては外に逃げてく感じがする。少しずつ動かしては慣らしてとを繰り返して、斜めだった視界が大分まっすぐに戻ってきた気がした。
「硬くなってんじゃァン」
「んー…あ、いい、それ」
「ここ?」
「ん、そこ」
揉みほぐすようなマッサージ。細い指先が優しく首を解してくれて随分痛みが和らいだ。
荒北って案外繊細なやつだと思う。律儀だし義理堅いし。つまりは優しいって事で、それが指先にも出てるというかなんというか。
「はぁっ…ん…きもちぃ」
「バッ…!!変な声出すんじゃねーよ!!」
「エッチな声出ちゃうくらい気持ちいい」
「ハァ!?ムラムラしてんじゃねーよ!濡らしてんじゃねェだろォナァ」
「あぁん、もっともっとォ」
「…」
「ごめん。てか、自分で下ネタ振ったくせに免疫ないとか」
「そんなんじゃネーヨ」
「童貞ですか」
「るっせー、バァカ」
「私は処女ですが何か一言」
「あーそ、貰ってやろォか」
「考えとくね」
「考えんのかよ」
「ま、なきにしもあらず」
なんだろうなぁ。冗談だけど冗談じゃないような。その時もこんな風にアソコを解してくれるのかななんて考えてみたら、女の子なのにムラムラしちゃう。多分この器用な手先であちこち触られたら気持ちいいんだろうな、て。考えてたら本格的にムラムラしてきた。