第10章 君のセカンドステージ【巻島*裏】
情事後の虚脱感というのは男も女も同じなのだろうか。一度の射精で100メートルダッシュした時と同じカロリーを消費するとかいうのはあくまで例えらしいけど、あながち嘘でもないくらい確かに疲れる。
「裕介くん、大丈夫?」
「あ…たりまえ、ショ…」
格別激しくしてるつもりはなければ、変わったプレイをしているわけでもない。ただノーマルにと体を重ねてノーマルに果てる。むしろ紳士的なくらいだ。あれこれ試してみたくもあるけど、経験の浅いにはまだ可哀想な気がしていた。当然足腰には自信あるからこの程度の運動はなんてことないけど、それでも、欲を言えばもっとには積極的になってほしいなと思う。
脈も呼吸も落ち着くまで横たわる俺を心配したの頭を撫でる。初めての時にあんだけ痛がられ、泣かれ、今だって気持ちいいのか違和感に耐えてるだけなのかもわからない彼女に無茶を言えるわけがない。別にそればかりが恋人のする事じゃないし、長い目でみてゆっくり慣れてくれたらいいと思う。
あんまりダサいとこは見られたくなくて裸のままの体を抱き寄せた。括れたウエストのラインを撫でると細い体が反応する。ヤり足りないのもあるけど、ただただこの体が好きで果てたばかりの下半身がまた元気になった。絶倫じゃないんだけど、こればかりは不可抗力だ。
「あの、当たって…」
「気にすんな。勝手に萎えるショ」
「でも、あの…」
恥ずかしげに俯いて、言葉を濁らせる。俺を煽るには充分すぎる仕草だった。
「立て続けはきついだろ?少し休めって」
「じゃあ、えっと、私が動く…」
「ハッ、無理すんなっショ」
「無理じゃないよっ」
あー、まただ。人の気も知らず、顔を真っ赤にしながら可愛いことを言う。願ってもない言葉に俺だって理性はそう続かない。そっと手を伸ばして下の割れ目を指でなぞればそこはまだ濡れていて、お互い準備万端である事を知る。
「シ足りなかった?」
「ちがっ…でも、裕介くん優しくて…」
「不満?」
「違うっ!なんか、もどかしくてっ…」