第7章 煩悶の渦中へ②【レイ】
彼女は確かにあの時酷い性的興奮下にあった。レイには確か "このままじゃ自分は誰に何をしてしまうか分からない" などと 彼に逃げ場を失わせる言い方で助けを求めたと記憶している。だが実際のところアリスにとっての"その対象"は、 レイ以外ではあり得なかった。正気ではなかったが、彼女が求めているのは、他の誰でもないレイだけだったのだ。
だがそれを今更どんな顔をして
彼に伝えろと言うのだろう。
アリスは流れ落ちる涙を両手で拭うとスマホをそっとサイドテーブルに置いた。彼女はどうしてもその文章に返信する事が出来なかった。そうして無意味にも月日は流れて行く。
────…
同月のAkso病院での定期検診すらキャンセルして、結果的に数週間 彼女はレイから距離を置くことを選択してしまった。だが再びあの症状がアリスを襲った時、彼女はまた異常な性衝動の元に レイに助けを求める事を繰り返してしまう。
それは2人にとって
最悪のループの始まりでもあった。
to Be Continued