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深空の幻【恋と深空】

第6章 煩悶の渦中へ①【レイ】R18





「……はぁ、はぁ───…」



デスク周りだけがPCのモニターでぼんやりと照らし出された薄暗い室内。


エグゼクティブチェアに深く腰掛けたレイの下半身はスラッグスが半ばまで引き摺り下ろされ、彼の想い人がその中心に顔を埋めていた。苦悶の表情を浮かべるその男の元、女は止まらぬ興奮に我を忘れているようだった。



『レイ…っ、
────レイ……っ』
「────おいっ、待て…」



まるでこの世に2人しか存在しないかの様に
互いの微かな息遣いだけが 空虚な室内に響いている。レイは突き上げる様な射精感と、微かな理性の狭間で揺れていた。


どうしてこんな事になったのか───と自身の陰茎を口に含み丁寧に愛撫するアリスの額を、半ば強引に押し上げる。熱っぽい視線を彼に向けたアリスは、見せ付けるように口内からぬらりと陰茎を引き抜くと 睾丸へと舌を這わせながらいやいやと首を振った。



「……く……また例の発作か…っ」



アリスは深空ハンターであり、Akso病院の医師であるレイの患者だ。だが彼女には連日追い込まれるような戦闘を経験すると出る、とある症状があった。


今夜も仕事が区切るまで待て とレイが言ったにも拘らず、我慢出来なかった彼女が跪き 彼のベルトに手を掛け……今に至る、というこの状況。2人は恋人という訳でもないのに、彼女は度々 レイにこの様な醜態を晒していた。


想い人である女性からの誘いならば 断る理由などない。だが彼女を心から愛するレイの心中は 実際 複雑なものだった。





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