第4章 きっかけ【セイヤ】
(きっかけとは1つの言葉や少しの勇気で案外簡単に手に入るのだな)
初めて愛を交わした後、隣に眠る"恋人"の頬を撫でながらセイヤはそう思った。
結局朝食のみならず、昼食まで犠牲にしてしまったが、その甲斐はあっただろう。
大きなギフトを手にした今、彼はその結果に非常に満足していた。
彼女を起こさない様キッチンへ行き 冷蔵庫の中を物色すると、ありあわせで簡単な食事を用意する。
(彼女が目を覚ましたら、暖かいスープと共にまた彼女にキスをしよう)
セイヤは満たされた気持ちで窓辺に差し込む日差しに目を細めるのだった。
fin.