第4章 きっかけ【セイヤ】
(今日で21日連勤か…)
だが不思議なほどに疲れはない。
アリスは主治医であるレイに日頃の不摂生を散々叱咤されたばかりだった。
同僚であるセイヤに助け出されなければ、
彼女は禁猟区でワンダラーの餌食になっていたかも知れない、そんな事態があったのはつい先日の事。
しかし復帰した後の現実は 以前と変わらぬ討伐の日々。これをまたレイに見つかれば、アリスは間違いなく 更なる大目玉を喰らうだろう。
しかし彼女はハンターという仕事に誇りを持っていた。そしてこの上ないやりがいも感じている。
故に止められたとて 簡単にこの生活を変える事は出来ない。
だけどただ一つ彼女の中で確かに変わったことがあった。
それはもうこれ以上、大切な人に迷惑はかけたくない…という気持ち。
アリスをそんな気持ちにさせてくれたのは、セイヤが家族以外で初めての人だった。