第11章 月夜の華炎③【セイヤ】R18
運命的な何かで繋がっていると感じるセイヤ。
だがセイヤと同様 不思議とホムラにも、アリスは何かしらの抗えない運命を感じていた。
──…しかしその事をセイヤに伝えたら、きっと彼は戸惑い、酷く悲しんでしまうだろう。
だからそれを言葉にする事は、恐らく一生ない。
アリスは肌に触れるこの愛しい温もりを、この先もずっと 手離すつもりはなかった。
「あんたを一生離さない」
セイヤが発したその予見めいた告白に、アリスは小さく心を震わせる
『うん……離さないで、セイヤ
……この先も、ずっと──…
────私もあなたを 離さないから……』
月夜の美しい華炎に散る運命の残骸を、アリスは人知れずその胸に抱きしめた。
そしてそれを誰にも触れぬ深い奥底に、そっと仕舞い込む。
大輪の花火が見守る中、2人は永遠を誓う為 再び強く抱き合った。
まるで新たな運命の光に 導かれるように───…
fin.