第2章 授業と決闘【賢者の石】
私はベッドから起き上がると、ハーマイオニーのベッドに行って隣に腰掛けた。
そしてハーマイオニーの手を取ってから優しく握る。
「ありがとう、ハーマイオニー。友人って言ってもらえて凄く嬉しいわ。それに、私の心配もしてくれてありがとう」
「友人ですもの、当たり前だわ。私、嫌な言い方をしてしまうでしょう?それなのに、私の傍から離れずに居てくれたのは貴方ぐらいなの。話も合って、話しやすい友達が出来て嬉しいのよ」
「私もよ。ありがとう、なるべくあんな事はしないようにするわ」
でも、またマルフォイが関わってきたら私はまた·····と思いながらもそれは言わずに口篭る。
「もう、今日は寝ましょう。ヘロヘロだわ·····」
「そうね、おやすみなさい、ハーマイオニー」
「おやすみなさい、アリアネ」
ハーマイオニーのベッドから降りて、自分のベッドへと向かうと横になる。
今日はかなり疲れてきってしまったし、未だに脳裏にはあの大きな化け物の犬が浮かぶ。
あの仕掛け扉は何だったのかしら。
何故、あんな犬が守っていたのだろうと思いながら、ゴロンと転がる。
(気になるけれど、もうあそこには行かないようにしなきゃ。あの時は何も無かったけれど、次は襲われてしまうかもしれないわ)
ハリーとロンにも言わなければ。
そう思いながら、私は少しづつウトウトとし始めた。
そしてテーブルへと視線をむけると、書きかけの手紙がある事を思い出す。
「·····手紙、書かなきゃ」
名付け親への返事を書かないと。
今日起きたことは流石に書けないから、授業の事やハグリッドから歯が欠けてしまいそうなぐらいに硬いロックケーキを貰った事を書くことにする。
だけど、明日書くことにした。
もうほとんど瞼は閉じかけていたし、いつまでも起きていたら明日寝坊してしまいそうだから。
「会いたいな·····」
ポツリと呟いてから、脳裏に浮かべたのは大好きな名付け親の姿。
早く彼に会いたいと願いながら、私は眠りについた。