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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第16章 闇の印【炎のゴブレット】


「それじゃ、あいつ、ダームストラングに自分が合ってただろうって思ってるわけね?」
「あの言い方だとそう思っているようね」

ハーマイオニーとアリアネは怒ったように言う。
2人とも機嫌が最悪だった。

「ほんとつにそっちに行ってくれてたらよかったのに。そしたらもうあいつのこと我慢しなくてすむのに」
「私もそう思うわ。そっちに行ってくれてたら、あの顔面殴らずにすむのに」

何度マルフォイの顔面を殴っただろうか。
アリアネは拳を作ると、空を殴ってから眉間に皺を寄せていた。
そんな彼女にロンは肩を竦めながら、『くわばらくわばら』と小声で呟く。

「ダームストラングって、やっぱり魔法学校なの?」
「そう。しかも、ひどく評判が悪いの。『ヨーロッパにおける魔法教育の一考察』によると、あそこは『闇の魔術』に相当力を入れてるんだって」
「僕もそれ、聞いたことがあるような気がする。どこにあるんだい?どこの国に?」
「さあ、誰も知らないんじゃない?」

ロンの質問にハーマイオニーは眉をちょっとだけ釣り上げてから言った。

「ん──どうして?」
「魔法学校には昔から強烈な対抗意識があるの。ダームストラングとボーバトンは、誰にも秘密を盗まなれないように、どこにあるか隠したいわけ」

ハーマイオニーの言葉にアリアネはふとある事を思い出した。
そういえばそのような言葉が書かれた本を、昔読んだことがあったなと。
魔法学校は幾つかあって、対抗意識が強いから学校のありどころは秘密なのだという本を読んだことがあったのを思い出した。

「そんなバカな。ダームストラングだって、ホグワーツと同じくらいの規模だろ。バカでっかい城をどつやって隠すんだい?」
「だってホグワーツだって隠されてるじゃない。そんなこと、みんな知ってるわよ·····っていうか、『ホグワーツの歴史』を読んだ人ならみんな、だけど」

ハーマイオニーは驚いた様子でそう言ったが、ロンは肩を竦めて『じゃ、君だけだ』と呟く。
それからハーマイオニーの隣に座っているアリアネへと視線を向けた。

「アリアネは知ってたかい?」
「知ってたわよ。前にハーマイオニーに教えてもらったし、ちょっとだけ『ホグワーツの歴史』読んだもの」
「うっわあ。よく読もうと思ったね」
「意外と面白かったわよ、『ホグワーツの歴史』」
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