第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
日曜の朝。
私は目が覚めて直ぐにコリンが横たわっていたベッドを見ると、周りを丈長のカーテンで囲っていて中は見えることが出来なかった。
私の熱はだいぶ下がり、微熱ぐらい。
だけどマダム・ポンフリーから『今日1日、医務室で休みなさい』と言われてしまった。
「スープを飲んだら、また薬を飲んで休みなさい」
「はぁい……」
「明日、熱が下がったら帰ってもいいですからね」
用意されたチキンスープを飲みながら、私は脇机に置かれた苦そうな薬へと視線を向けた。
ハリーはというと、もう骨も生えたから帰ってよろしいと言われたので服に着替えて帰る準備をしている。
「アリアネ。僕、戻ったらハーマイオニーとロンにドビーのことやコリンのことを話してくるよ」
「分かったわ。あーあ……私も早く熱下げないと」
「熱が下がらないのは、ドビーのせいかも。ほら、薬の効果を無くしたって言ってたから」
「そうね……。じゃあ、ハーマイオニーとロンによろしく伝えてね」
「分かったよ。じゃあ、お大事に」
ハリーを見送ってから、私は医務室に1人になった。
そう思ったけれど、向こう側のベッドにはコリンが横たわっている。
「コリン……どうしたっていうのよ」
まさか、マルフォイが襲ったのだろうか。
コリンはマグル生まれだからと思っていながら、私は医務室で再び眠りにつくのだった。
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コリンが襲われた。
その話は月曜日にはもう学校中に広まっていて、1年生は怯えたように過ごしている。
ジニーなんて、『妖精の呪文』でコリンと隣合わせの席だったせいか酷く落ち込んでいた。
それから12月の第2週日。
クリスマスが訪れる前に、マクゴナガル先生はクリスマス休暇で学校に残る生徒を調べていた。
「今回はMs.グレンジャーも残るのですね。わかりました。Mr.ウィーズリーとMs.フリートも残るのですね。今回も」
「ええ、少し学校で過ごそうかなと思いまして」
「ハリーと一緒に残って、学校で楽しく過ごそうと思いまして。はい」
「今回は4人でクリスマス休暇を過ごします」
だが、今回のクリスマス休暇でホグワーツで過ごすのは私たちだけじゃない。
なんとマルフォイもクリスマス休暇に残るらしく、怪しいと私たちは睨んだ。
「怪しいよな、アイツがクリスマス休暇に残るなんて」
「ええ、怪しいわ」