第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
「ドビーは行かなければ!」
「あ、ドビー……!」
ドビーは消えて、私とハリーは慌てて人が来る気配を感じてからベッドに潜り込んだ。
すると医務室にダンブルドアが入ってきたのである。
長いウールのガウンにナイトキャップを被ってら何かを持っていた。
マクゴナガル先生も何かを持っていて、2人でそれをベッドに乗せている。
「マダム・ポンフリーを」
マクゴナガル先生は私たちの傍に通り過ぎていき、私とハリーは寝たフリをした。
しばらくすると慌ただしい声が聞こえて、マダム・ポンフリーが姿を見せる。
「何があったのですか?」
「また襲われたのじゃ。ミネルバがこの子を階段のところで見つけてのう」
「この子のそばに葡萄が一房落ちていました。たぶん、この子はこっそりポッターのお見舞いに行こうとしたのでしょう」
誰がハリーの所に来ようとして襲われたのだろう。
ゆっくりと身を起こしてからベッドを見た瞬間、私は目を見開かせた。
コリンがいた。
目を見開かせて、手を前に突き出してカメラを持ってまるで石のように固まっている。
「石になったのですか?」
「そうです。考えただけでもぞっとします……アルバスがココアを飲みたくなって階段を下りていらっしゃらなかったら、いったいどうなっていたかと思うと……」
3人はコリンを見ていて、ダンブルドアは前屈みになるとコリンのカメラを取る。
「この子が、襲った者の写真を撮っているとお思いですか?」
ダンブルドアはマクゴナガル先生の言葉にはこたえずに、カメラの内蓋をこじ開けていた。
するとシューという音が聞こえて、焼けたプラスチックの臭いがしてくる。
「なんてことでしょう!溶けてる、全部溶けてる……」
「アルバス、これはどういう意味なのでしょう」
「その意味は、『秘密の部屋』が再び開かれたということじゃ」
その言葉に私は目を再び見開かせた。
やっぱり『秘密の部屋』は開かれたのだと。
「でも、アルバス……いったい……誰が……」
「誰がという問題ではないのじゃ」
ダンブルドアの静かな言葉が医務室に響いた。
「問題は、どうやってじゃよ……」
その意味は分からなかった。
だけど、私はコリンの固まった姿が瞼から離れずにいてその日は眠ることが出来なかった……。