第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
ーthird person singularー
ホグワーツでの慌ただしい1年を過ごしたアリアネは、夏休みの間は楽しく過ごすつもりだったがそうもいかなかった。
理由はと言うと、ハリーに手紙を送っても返事がないからである。
ロンとアリアネはもう何通も何通も手紙を出したのに、ハリーから一切返答がこないのだ。
「ハリー、何かあったのかしら。もう何十通も送っているのに返事が一通も来ないわ」
「……なんで返事が来ないんだろう。それにフレッドとジョージが言ってた。クィディッチの練習も全然来てないらしいんだ」
「家で、何かあったのかしら……」
夜が更けた頃、アリアネはロンの部屋でハリーについて話していた。
彼は、クィディッチの練習さえも来ていなくてウッドが心配している状態。
何かあったのだろうかと、手紙を送っても返事がないのである。
アリアネは凄く心配していた。
ハリーの親族であるダドリーが、何かハリーにしたのではないかと思いながら。
すると、ロンの部屋の扉が叩かれる。
「誰?」
「私だよ、ロン」
「パパ?」
扉を開ければ、そこにはロンの父親であるアーサー・ウィーズリーが立っていた。
とても心配そうな面持ちをしながら。
「ロン、アリアネ。ハリーから手紙は届いているかい?」
「いいえ、全然届いていないの。でも、どうしたの?ハリーのことを聞くなんて」
アーサーは気まずそうにしながらも、呟いた。
「ハリーが、マグルの前で魔法を使ったようだ。そのせいで、魔法省から公式警告状を受け取っている」
「魔法を使った!?」
「そんな、ハリーが!?」
アリアネとロンは驚いて立ち上がった。
ハリーはもちろん、マグルの前で魔法を使ってはいけないとは知っているはず。
それなのに使ったというのはどういうことなのろうか。
驚いているアリアネとロンの様子を見ながら、アーサーは『もし手紙が届いたら知らせてくれ』と言い部屋を出ていった。
「ハリーに何かやっぱりあったのよ。マグルの前で魔法を使うなんて」
「手紙の返事もないしな……心配だよ。ハリーの家に行った方がいいのかな」
なんて話していれば、とある声がした。
「じゃあ、ハリーのところに行こうぜ」
「明日の夜に」
「「え?」」
ロンの部屋の前に、フレッドとジョージがニヤついた顔をして立っていた。