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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第5章 二つの顔をもつ男【賢者の石】


ボソリと呟くと、モリーおばさんに小声で『コラ』と怒られてしまう。
だけど私は気にすることなく、小さく舌を出してそっぽを向けばハリーが笑っていた。

「じゃあ夏休みに会おう」
「楽しい夏休み……あの……そうなればいいけど」

ハーマイオニーはハリーの叔父の態度にショックを受けていたようだ。

「もちろんさ。僕たちが家で魔法を使っちゃいけないことを、あの連中は知らないんだ。この夏休みは、ダドリーと大いに楽しくやれるさ……」

にっこりと笑うハリーに、最初は驚いていた私たちだけれど直ぐに笑った。
ハリーは結構、好戦的なのだろう。

「ハリー、何かあれば手紙を送ってちょうだいね。直ぐに駆け付けるから」
「ありがとう、アリアネ」

そして私たちはハリーと別れを告げ、ハーマイオニーとも別れを告げた。
これからの夏休み、ハリーにとって素敵なものになればいいのだけれど。

そう思いながら、モリーおばさんに連れられて私たちは漏れ鍋へと向かった。
漏れ鍋の暖炉でフルーパウダーを使い、ウィーズリー家に一瞬で帰る。

「ハリーが心配だわ」

家に帰ってきて直ぐに、私はそう呟いた。

「僕も心配だよ。見たか?あのハリーのおじさんの顔。いかにも意地の悪い顔だったよ」
「しかも、従兄弟だろう男の子。ハリーはあんなに痩せているのに従兄弟はあんにも太っているのよ。どんな家庭なのかしら」

怒りさえ感じる。
あの時、丸々と太ったあの顔に拳を入れなかっただけでも褒めてほしいぐらい。

「貴方たち、他所様の悪口を言うものじゃないのよ」
「でもモリーおばさん。あの人たちは、ハリーをぞんざいに扱っていたのよ!許せないわ」
「それは私も同じ気持ちだわ」

モリーおばさんも心配そうにしていた。

「……これから始まる夏休み、ハリーは大丈夫かしら」

そう呟きながら、私はウィーズリー家の窓から外を眺めるのだった。




ハリーポッター『賢者の石』[完]
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