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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第1章 ホグワーツ魔法魔術学校【賢者の石】


ーアリアネ・イリアス・フリートsideー


最悪の魔法使いとも呼ばれる、【名前を言ってはいけないあの人】に両親を殺されたが一人助かった少女。
そして【あの人】に殺されかけても生き残った男の子の幼馴染になる筈だった少女。

それが私、アリアネ・イリアス・フリートが色んな人間に囁かれた言葉。
最初はその囁きに気分を害した事は何度もあったけれども、今じゃ慣れてしまった。

「アリアネ。手紙を読みながら歩いていると、転けてしまうわよ」
「うん」
「本当に転けるよ、アリアネ。ねえ、聞いてるのアリアネ。僕の言葉聞こえてる?」
「まあ、仕方ないわよ。数ヶ月ぶりに名付け親から手紙が届いたものね。でも、転ばないようにしなさいね」
「うん、大丈夫よ。モリーおばさん」

私は手にしていた手紙から顔をあげると、目の前にいるモリーおばさんへと笑顔を向けた。

『ホグワーツでは、君の幼馴染になる筈だったハリー・ポッターと出会えるよ』

何度も何度も読み返した、数年も会えていない育ての親から届いた数ヶ月ぶりの手紙に書かれた文書を、私はまた読んでいた。

ハリー・ポッター。
彼は【名前を呼んではいけないあの人】に殺されかけても尚、生き残った子。
そんな彼を魔法使い達は【生き残った男の子】と呼んで特別視していた。

彼と私は、本来ならば幼馴染になる筈だった関係性。
その話を聞いた時から私はずっと彼に会いたかった。

「アリアネ、また手紙を読んでるの?何回目だよ」
「だって、楽しみなんだもの」
「ホグワーツが?それとも、君が言ってた【幼馴染になる筈だった子】と会えることが?」
「どちらもよ。だけど、一番はその子に会えることかしら」

手紙を畳みながら、私は目の前に立つ呆れた表情を浮かべた幼馴染に笑いかける。
彼の名前はロナルド・ウィーズリーで、愛称はロン。

私は、1歳の頃に両親と死別している。
その後は両親の親友である名付け親で、後見人である人に育ててもらっていたけど、彼の仕事の都合上で私はロンの両親であるウィーズリー夫妻の元で育った。
なのでロンとは幼馴染で兄妹のような関係性である。

「それよりさ、駅、人が多すぎない?僕、人酔いしそうだよ」

現在私たちがいるのは、キングズ・クロス駅という場所。
人があまりにも多すぎて、ロンが人酔いしてしまうのも無理もない。
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