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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第5章 二つの顔をもつ男【賢者の石】


「凄いわ、ハリー。あのピーブズを追っ払うなんて!」
「すごいぞ、ハリー!」

私とロンは歓声をあげてしまう。
あの面倒臭いピーブズを追っ払ってしまったのだから。
ハリーは褒められてなのか、少し笑みを浮かべながらも『行こう』と言い、私たちは歩き出した。

しばらくして、私たちは4階の廊下に辿り着く。
だけど先客がやはりいて、扉がすでに開いていたのだ。

「ほら、やっぱりだ。スネイプはもうフラッフィーを突破したんだ」

この中にセブがいて、賢者の石を盗もうとしている。
そう思っていれば身体が勝手に震え始めていて、手をギュッと握った。
するとハリーがこちらを振り返る。

「君たち、戻りたかったら、恨んだりしないから戻ってくれ。マントも持っていっていい。僕にはもう必要ないから」
「そんな事言わないでハリー」
「そうだよ。バカ言うな」
「一緒に行くわ」

私はハリーの手を握る。
するとハリーは目を見開かせて、少しだけ驚いた表情を浮かべていた。

「1人で行かせるつもりはないわ。言ったでしょう?私もヴォルデモートに両親を殺されているし、セブが関係しているなら私は逃げたりしない。それに大事な親友を1人にして逃げるなんてしないわ」
「……アリアネ」
「行きましょう、皆で」

小さく頷いたハリーは、ゆっくりと扉を押した。
推し開いた扉は軋んだ音が響き、中からは唸り声が聞こえてくる。
3つの鼻が私たちを探しているように匂いを嗅いでいた。

「犬の足元にあるのは何かしら」
「ハープみたいだ。スネイプが置いていったに違いない」
「きっと音楽が止んだとたん起きてしまうんだ」
「さあ、はじめよう……」

ハリーは横笛を取り出すと、唇に当てながら音を鳴らす。
メロディーはないけれど、フラッフィーはだんだんと目をトロンとさせている。

「眠そうにしているわね……」
「音楽で眠るのは本当なんだな」

ハリーが笛を吹き続ければ、フラッフィーはよろよろとしてから膝をついて座り込んでから眠ってしまった。

「吹き続けてくれ」

マントを抜け出す前に、ロンが念押しする。
そして私たちが仕掛け扉の方に移動していれば、フラッフィーの熱くして少し臭う鼻息がかかった。
すると、ロンが犬越しの向こう側を覗き込んでハーマイオニーに声をかける。

「扉は引っ張れば開くと思うよ。ハーマイオニー、先に行くかい?」
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