第4章 禁じられた森【賢者の石】
みぞの鏡を見てから、嫌な夢を見るようになった。
幸せな夢を見たのはもしかしたら、最後にみぞの鏡を見た時だけかもしれない。
「最近、嫌な夢を見るのよね……」
「嫌な夢?」
「どんな夢を見るの?」
私の呟きに、熱々のソーセージを頬張っていたロンとふわふわとしたスクランブルエッグを食べていたハリーがこちらを見てくる。
「高笑いしてる声と、緑色の閃光が見えた瞬間に悲鳴が聞こえてくる夢」
「どういう夢なんだよ、それ……」
最近、ずっとそんな夢を見ている。
高笑いしている声は男の声で、悲鳴は女性のものであり緑色の閃光がパッ!と視界を埋めつくしていた。
ずっとずっとそんな夢ばかり見るもんだから、起きる時は最悪な気分だ。
ロンは私の話を聞きながら怪訝そうにして、二本目のソーセージにかぶりついていた。
だけどハリーは目を見開かせてから、身を乗り出している。
「僕も似た夢を見るんだよ。高笑いが響いて、両親が緑色の閃光とともに消え去る夢を!」
「ハリーもなの……!?」
そんな私たちに、ロンがため息を吐いてこう言った。
「ほら、ダンブルドアの言うとおりだよ。鏡を見て気が変になる人がいるって」
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新学期が始まる一日前。
ハーマイオニーがホグワーツに戻ってきて、私は彼女と会った瞬間抱き締めあっていた。
「ハーマイオニー!久しぶりね!」
「久しぶりね、アリアネ!それと、プレゼントありがとう、可愛い髪紐ね」
「喜んでもらえてよかったわ」
ハーマイオニーがクリスマスプレゼントを届けてくれた翌日、私は急いでミサンガを作った紐で髪紐を作って彼女にクリスマスプレゼントとして送った。
彼女は髪の毛も長いし、静電気が起きるからとたまに髪を結っていたから。
色は彼女の栗色の髪色に映えるよう、緑色の紐を編んで作った。
彼女は嬉しそうに私が作った髪紐で結んだポニーテールを揺らしている。
「私も何か、ヘアアクセサリーにすれば良かったかしら。そういえば貴方、いつも髪の毛下ろしてるわよね。結んだりしないの?」
「うーん……邪魔な時は結んでるけれど」
私は自身の肩まで伸びてる髪の毛に触れる。
何となく、結ぶことなく下ろしたままだしそこまで邪魔と思うことはないからこのまま。
たまにハーフアップとかポニーテールにしてるけれど。