第5章 ネザーへ
夜が来る前に早くネザーに入っちまわないと、とMENは野に放たれたアイアンゴーレムを倒しに行き、鉄を入手する。
それからマグマ溜まりに向かい、ベットを置いてそこをリスポーンのある拠点に変えた。
あとは砂利から火打石を取りに行き、火打石打ち金をクラフトしたところで、画面上のゲージは次のアレがそろそろ来ることを示した。
「やば、急がないと次のアレが来ちまう」とMENは言う。「けど今のところ、二体の怪物たいたいしか来てないよな……? 俺の企画にあんなヌルイ怪物二体だけで終わるのか?」
MENは本当に覚えていないのかどうなのか、この企画のアイデアがどこから来てるのかすでに大半勘づいた視聴者たちが、まだいるぞ、まだいるはずだとざわついている。
MENはそんなコメントを知ったか知らずか、早速ネザーゲートを製作してネザーインした。
ゲージがゼロを示し、ネザーにアレは現れた。
「うお、デルタ?!」
このゲームの世界でエンドラ討伐をするに至って一番最悪な地形を引いた。玄武岩デルタだ。
歩きにくい凹凸の激しい地形にグツグツと煮えたぎるマグマがあちこちにあるこのバイオームは、訪れるプレイヤーたちを次々と苦しめた。
それと同時に迫ってくる鬼畜の音も。
「なんかやばい音がしてないか……っ?」
ヘッドホンのMENはすぐに異変に気がついた。だが、周りは動きづらい玄武岩デルタだ。MENは一旦引き返すことにした。
「退避!」
そうして急いでネザーゲートをくぐったMENの視界の端で、ネザーでは見慣れない黄色っぽい何かが見えた。
視野の広いMENはすぐに気づいて「何か見えたな」と笑いながら呟きつつ、オーバーワールドに戻って来た。
あたかも平穏そうな草原バイオーム。だがMENはここで腰を落ち着ける程鬼畜世界に慣れていない訳ではなかった。