第33章 最後はこれで
やがてたいたいドラゴンがまた地上に下りて来た。今だ、とMENが素早くブロックを置くと、完全に着地した時にたいたいドラゴンは吸引攻撃をしてきた。
しかしMENはブロックを引っ掛けに使っていたのでたいたいドラゴンに吸い寄せられることなく無事であった。それからたいたいドラゴンはTNTブレスを吐いたが、MENは離れたところにいるので無傷だ。
その間にMENは弓矢でたいたいドラゴンにダメージを与え続け、地道に体力を削っていく。
「なんかアイツ見てると妙に腹立ってくるな」
なんて言いながら。
コメント欄が顔があの人だから? と騒がれている内に、やがてたいたいドラゴンの体力ゲージが四分の一まで削れていた。よし、そろそろいいのではと、MENは手持ちにTNTを加えた。ボタンも忘れずにクラフトした。
「最後はこれでトドメだ!」
たいたいドラゴンが下りて来たのを見計らって岩盤上へと向かった。吸引される前に岩盤内をTNTだらけにし、それと同時にたいたいドラゴンの吸引が始まったのでMENの体は浮かび上がった。たいたいドラゴンは体勢を整えようとくるりと首をひねった。
「今だっ」
体が浮かんでも構いはしなかったMENは、TNTにつけたボタンに右クリックをした。爆発した音はしたが、それがどっちの音だったかは分からない。
どちらにせよMENは自爆してベットに戻される。直ぐに何も持たずにエンドに戻ると、体力ゲージがかなり減ってるたいたいドラゴンがいた。
「まだ動けるのか!」
MENはそう言いながらたいたいドラゴンに向かって雪玉を当てる。爆風や延焼でも残っていた雪玉を拾っていたのだ。これはドラゴンの顎下に矢を打ち込むのと同じ効果があり、今や素手しか武器のないMENが咄嗟にやったことだった。
ガンッと鈍い音がする。MENの拳が、たいたいドラゴンの顎下に命中したのだ。
まさに飛び立とうとしていたたいたいドラゴンが、バチバチと音を立てながら消滅を始めた。自分の命の終わりに気付かないのか、たいたいドラゴンは飛びながらその姿を徐々に消し、そしてとうとう、見えなくなった。
「ははっ、やった! 討伐だぁ」MENは消えたドラゴンに向かって手を振りながら跳ねた。「じゃあな、たいたい!」
MENは散らばった経験値を適当に拾って、出現した出口へと飛び込んだ──