第3章 ここはどんな世界?
「まぁでもこれは、ダメージもないし鬼畜ではないのでは」とMENはお気楽発言をする。「それにこの間に村か何かが見つかれば……」
と周りを見渡すMEN。相変わらず草原バイオームが広がっていて、あとは池と数本のオークの木が見えるだけだった。
その内に三分が経過してMENと他のMOBたちは解放された。もう最初の洞窟に戻るのは面倒だと地面を掘って丸石を得るとその場でカマドをクラフトした。その時丁度鉄も出てきたのでカマドで焼いておく。
「にしてもさっきのが俺を襲ってくるのならヌルイよな」とMENは軽く受け合う。「まさか、今日は鬼畜じゃなくてチートか?」
そう言った途端ざわつくコメント欄。歯茎の話がチラチラと流れるが、MENは気にせず地上に戻ってきた。
「えーっと、ここはプラプラだから、今度は反対に行ってみるか」
飯がねぇ、と走り出すMENの手持ちにはバケツが出来るだけの鉄しかなかった。途中の池から水を掬い、座標を見ながらしっかりマグマ溜まりに戻ってきた。
ネザーゲートの製作もお手の物で、ささっと素早く横振りを繰り返してあっという間に完成。火打ち石打ち金がないので木材を置いて着火を待つ間、座標がマイナスになる方へ向かった。
「にしても、さっきの怪物なんだったんだ……?」
とMENは走りながら呟く。しかしコメント欄はすでに答えが湧いて出ていた。MENはそのコメント欄をちらと見た。
「ドレインたいたい……?」MENは走りながら考える。「いや、確かに、さっきの白いやつも、縦長のやつも、顔はたいたいだったが……」
そう。先程MENやMOBたちを吸い込んだ縦長の生き物はたいたいの顔をしていた。頭には葉っぱを乗せ、両手の平を合わせてMENに近づくことなく吸い込む攻撃? をしてきた。足元はなぜか黄緑と桃色のブロックが混ざったまるでタコ足みたいになっている、たいたいの顔をした何か。
「あ、村あった!」
そうこうしている内に草原の村が見えてきた。MENはプレイヤーを動かす指先にますます力が入った。
「急げ! 次のアレが来ちまう!」
MENが村の家へと飛び込んだ時、画面上のゲージが次の襲撃を知らせた。