第3章 ここはどんな世界?
「よし、とりあえず、ツールは揃えたが……」
画面上に表示される次の「アレ」発現までのタイムリミットはどんどんと迫っていた。そもそも「アレ」ってなんなんだ。さっきと同じやつが来るならなんとかなりそうだが、とMENが呟いている内に、草原と森のバイオームの境目辺りに燃えている何かを発見した。
「あ、あれは!」MENはジャンプダッシュで駆けつける。「やっぱり! マグマ溜まりだっ」
とりあえずここは覚えておくとして、と座標表示を出しながらMENは引き返していく。どこに行くんだと視聴者たちが騒ぐ中、MENがやって来たのは白虎たいたいをやり過ごした洞窟の中だった。
「ここに鉄があったのが見えたから……次のアレが来る前に取りたい」とMENは言うが、ゲージはかなり短かった。「いや、今度は何が来るか一旦見てからにするか?」
それからMENは急いで作業台を置いてチェストを作ったところで、アレが現れた。
「やばっ」
とMENが言いかけた時には体は浮いていた。おい、なんなんだこれは、と身動きが出来ないままどこかに連れ去られる。
「俺に今何が起きている?!」
とMENが三人称視点に切り替えた時に状況が判明した。
大きな縦に長い生き物めいたものに、MENがくっついていたのだ。
「は?! どういうこと?!」
と三人称視点のままキョロキョロする。どうやら縦の生き物は地面を這いずるように移動しており、近くにいた羊や牛を吸い込んでMENと同じく体にくっつけながらうろついていた。
「まさかこれは、俺やMOBを引き寄せる生き物か?」
今のところダメージはない。唯一不便と言うのなら移動が出来ないどころか勝手にどこかに移動するところだ。MENは座標を開き、マグマ溜まりから数百くらい離れたところを確認した。