第25章 まだまだ戦闘中
ここでそんなものを投げられるなんて。MENは喋ることが出来ないまま、黒い建造物の下敷きになった。だが、MEN自体は地形に挟まれて無事ではあった。一ブロックの隙間で這った状態で。
MENは何度か視点変更をし、真上にいる建造物がなんなのか考えた。このゲームをかなりやり込んでいるMENなら、見た瞬間これがなんだったのか判断はついていたのだが。
「は、廃要塞じゃないよな……?」
受け入れ難い現実に、MENの発した疑問は困惑を隠し切れなかった。しかし、MENの視聴者たちはこのゲームに詳しい者も多かった。ブラックストーンや玄武岩で作られたこの建造物を、廃要塞で間違いないとコメント欄がズラズラと流れていく。
MENはそこからなんとか這って出てきたが、絶望の光景は変わらぬどころかますます悪化していた。
三体たちは暇を持て余したかのように黒曜石の柱を破壊しながらそこらを暴れ回っているかと思えば、MENを見つけるや否や攻撃態勢を取ってきた……!
「まずっ……!」
とMENが思わずそこの廃要塞へ飛び込めば、そこにいたピグリンたちが一斉になって襲いかかって来たのだ。
MENは思わず息を飲み、とりあえずブロックを置いて小部屋のようなところに引きこもったが、次にはボコボコとブロックが壊される音が続いてゾッとした。それから聞こえてきたのはピグリンたちの悲鳴。
「これってまさか……」
どうなったのか確認しようと移動をしたMENが、ブロックの隙間から見たのは先程見た廃要塞が真っ二つになっている光景であった。どうやら、たいたい・ザ・スネイルが突進した跡のようである。
「どんどん地形がなくなってくじゃねーか……!」
そう言いながらもMENは廃要塞を出た。外から見ると廃要塞が真っ二つに……というか、半分以上抉り取られていて原型を留めていなかった。
しかし、ゆっくりと見ている余裕はなかった。MENを発見した白虎たいたいが、攻撃予備動作にぴょんっと後ろに跳ねる。MENは待ってましたと言わんばかりにベットを手に取った。
「このベットの最初の餌食はお前だ!」
そうしてMENがベットを地面に置いた瞬間、白虎たいたいが飛びかかってきた。MENは一かバチか、そのベットに触れた……。