第24章 あんなのは無理?
「三対一はズルいって!」
そう言いながらもダッシュで逃げ回るMEN。距離を離すと、今度はたいたい・ザ・スネイルから様々な建造物が飛び散る。村人の家、海底遺跡、沈没船……そしてテラコッタや砂利で出来たよく分からないものもMENを襲った。
「なんだこれ?」
こんなの建造物なのか? とMENが興味本位で近付けば、所々に怪しい砂利があったところから、それがトレイル遺跡であるということが分かった。
「てかこれ建造物なのかよ?」
しかしそうしてツッコミが通じる相手でもなく。MENは体力管理をしっかりしながら振り向き、突進を終えたばかりのたいたい・ザ・スネイルに弓矢を放った。画面上のゲージを見る限りダメージは入っているようだが、なんのエンチャントもない弓矢だからかそんなに大きく体力は削れていない。
「地道にやってくしかないかぁ」
そう言ってMENは、素早くブロックを置く。画面の端しか映っていなかったので視聴者たちは見逃した人も多かったのだろうが、ドレインたいたいがまた吸引を始めたのをMENは見えていたのだ。
しかし、敵は順番に行動するターンパターンではないようだ。白虎たいたいがまた走り出した時、スネイル・ザ・たいたいも動き出していてMENの手元はガタガタと音を鳴らした。
「おい、二体同時は無理だって……!」
その時だった。白虎たいたいの目の前にスネイル・ザ・たいたいが割り込み、MENの画面では謎の挙動が映りこんだ。白虎たいたいが後退したのだ。
「アレ、ダメージ受けてね……?」
見ると白虎たいたいだけ大きくダメージが削られている。どうやらこの三体、ドレインたいたいの吸引は無効なのに、同士討ちはあるらしい。
「これを利用すればアイツらをもっと楽に倒せるんじゃね……あ”っ」
と油断したMENはドレインたいたいの動きを見逃してしまった。たちまち浮かび上がったMENはドレインたいたいの体にくっつく形になってしまい、動けなくなったところで頭上から降ってきた砂漠の井戸に踏み潰されてしまった。