第21章 鬼畜は休めない
「ん……?」
左右前後見ても何も現れない静けさにMENは一瞬違和感を抱く。それからはっと息を飲んだ。
「上だぁ!!!!」
緊迫感とは真逆に、MENはハハハッと笑いながらダッシュする。上空からは巨大な丸石で出来た建造物の落下。MENは急いで建造物から離れようとしたが、途中の浅い洞窟に落ちてしまった。
「うわ、いてぇ!」
それと同時に建造物も着弾(?)してMENがいる洞窟の出口を塞いでしまった。
MODを使用しているMENは洞窟の中でも大して暗くはなかったが、予想外の建物の襲来に困惑を隠せずにいた。
「とりあえずここから出るしかないが……」少しの好奇心もあり、MENは丸石の建物を掘ってみたが、分厚い床下らしく、ぱっと見なんの建造物か分からなかった。「なんだ、これは……まさかまたスポナー部屋か?」
だが、おかしい。スポナー部屋にしては大き過ぎるのだ。もう一個丸石を掘った時、ようやく別のブロックが見えてきてMENは勘づいた。ダークオークの板材だ。
「まさかこれ、ダークオークの洋館なんじゃ」
言いかけて口をつぐむMEN。もう一つブロックを壊すと現れた白い床と赤いカーペットを目視し、勘は確信に近付いた。
「なんで洋館が襲ってくるんだよ……はっ」
ため息をついている場合ではなかった。そこにいたヴィンディケーターが真っ先にMENに近付いてきたからだ。
MENは素早く引き下がってブロックを置いた。息を止めた数秒。MENは慌てながらもすぐに出口を塞ぎ、それから吐くように言葉を出した。
「こんなのにいちいち構ってる時間はねー!」
そうしてMENは別方向からブロックを掘り、大回りをして洞窟を抜けた。MENの真後ろには予想した通り、ダークオークで出来た三階建ての洋館がそこにあった。
「俺はエンドラ討伐しに来ただけなのになんで洋館のやつらと戦わなきゃならないんだ」
そう言いながらMENは先程いた場所へと引き返して行く。エンド要塞はまだ未特定だ。この鬼畜世界では、息をつく時間はないのである。