第12章 ブレイズロッドを
「よ〜し、帰ってきた〜」
めったに迷子にならないMENは、本日何度目の生死を繰り返したのか分からないくらいの回数を越えてようやく落ち着いてネザー要塞に戻って来た。
周りのゾンピグは敵対している様子はない。それを考えると、どうやらドレインたいたいに攻撃したり倒したりすると、吸い込まれていた中立MOBすら全て敵対をMENに切り替えるらしいので少々面倒な仕様だなと気付くが。
「まぁ大したことないだろ」
俺が死ぬだけだからな、なんてMENは軽い口調で言い、要塞内の探索を始めた。さすが、数々の鬼畜を乗り越えた漢は違う。
「あ、あったあった」
MENは長年のプレイ歴と勘で難なくブレイズスポナーを見つけた。ここでようやく、盾を忘れたんだとMENは思い出すが、いつもの鬼畜世界だと、当然のように「盾のクラフト禁止」が設けられている。どうせ作れないだろうと作業台で確認することもなく、なんとかブレイズロッドを五本手に入れた頃だった。
「……一旦戻るか?」
と呟くMEN。
画面上のゲージはそろそろ次のアレが来ることを示唆している。今まで登場してきたものから考えると、帰宅部のアレは三種類(プラスアルファみたいなのはあったが)だけだと思われたが、鬼畜を果たしてここで迎えてブレイズスポナーが無事である保証はない。MENは迷いなく帰宅を選んだ。
「一旦帰って預けるか」
とMENは架けた橋を辿って要塞を出る。ネザーゲートへ向かう途中、チェストが置きっ放しだったことを思い出し、一旦ブレイズロッドをそこに預け、アレをオーバーワールドで迎え撃とうという話になった。
そしてMENは急いでネザーゲートを潜る。それから素早くネザゲから離れて猛ダッシュ。そろそろ次の「アレ」がやって来る時間だ。