第11章 対策と考察
「だとするとアイツはどうしたらいいんだ?」
改めてツールを用意しながら、MENは考える。ドレインたいたいはネザーにいるらしく、オーバーワールドは平穏だったのだ。
コメント欄では、弓矢はダメなのかなと言う視聴者もいた。だが、そもそもゾンピグがあんなにいたら倒す前に俺が倒れる、とMENは言いつつも、だとしたらゾンピグでなければ倒せるのか? という希望を見出していた。
「そういえば、家の中にいた時は吸い込まれなかったよな……?」
とMENはドレインたいたいに吸い込まれなかった時を思い出し、物は試しだと再びネザーへ舞い戻った。
そこにはやはりドレインたいたいがネザー要塞上空を闊歩していて、ゾンピグだけではなく、ウィザースケルトンやブレイズも何体か吸い込まれて体にくっついていた。その姿はドレインたいたいではなく、ただのモンスターパニックだ。
ネザーゲートをくぐった瞬間ドレインたいたいに吸い込まれ始めたMENだったが、素早く適当なブロックを置くとその吸引が止まった。どうやら一ブロックあると吸い込まれないらしい。
だがこのままでは要塞には入れない。ドレインたいたいも体が大き過ぎて天井と要塞に挟まってMEN側に来ることは出来ないらしい。これをチャンスとしないMENではなかった。
「アイツ倒したらだいぶ楽になるのでは?」
と言ったMENはすかさず弓矢を構えた。当たり判定がどこかは分からないが、とりあえず吸い込まれてドレインたいたいの足元にいる敵たちより上に標的を定めてMENは矢を放った。
ペシッという小さな音。
「……は?」
どういうことなのか一瞬困惑するMENと視聴者たち。しかし、頭の回転が早いMENはすぐに気が付いた。
「アイツ、トゲの鎧みたいなもんを着てるのか!」
ドレインたいたいに吸い込まれたアイアンゴーレムが攻撃してきたのも、先程のゾンピグが攻撃してきたものも、それで合点がいく。あれは、アイアンゴーレムやゾンピグが攻撃してきたのではなく、敵MOBに攻撃されたものがMENにダメージとして返されていたのだ。
MENはなるほどと言いながらも、弓矢を構えることはやめなかった。