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水色の恋模様 【鬼滅の刃 冨岡義勇】

第1章 優しい人










がやがやと騒がしい店内。
昼時の定食屋は目が回るほど忙しい。

定食屋…とは言うけれど、実はここ、本当は甘味処。
ここのご主人が実に働き者で、『昼休憩の時間に店を閉めているのは勿体無い』と、その時間になんとご主人自ら定食を作っているのだ。

本当は和菓子職人なのに。

しかしご主人は本当に器用で、和菓子は勿論絶品なのだが、定食も実に美味だと評判になり、今ではここ七丁目で一番の店だと言われている。

そんな凄いお店に、私は女給として働かせてもらっている。

そして冒頭でも呟いたのだけれど、本当に目が回るほど。
今日は一段と忙しいのだ。


猫の手も借りたい…


そんな時、事件は起こった。











「すまねぇ皆、食材を切らしちまった…」

申し訳ないと頭を下げるご主人。

…はて?
私同様、皆キョトンとしている。
今までこんな事あっただろうか?

厨房から聞こえてきたご主人の絶叫の後、従業員皆ここへ集められ聞かされたとんでもない現状。

なんでこんな事に?
思い当たる節は…あるぞ。


今日のお昼前から来ていらっしゃる四人組。
主に食べているのは二人なんだけれど…

まず白髪の人がわらび餅一皿。
お昼前だったし丁度良い量だったと思う。

縞模様の人がお茶。
この人はいつもお茶しか飲んでない。
お腹空いてないのかしら?

あぁそう言えば、あの白い髪の人は葉月ちゃんの恋人だ。
ずっと会えなくてものすごぉーく落ち込んでる時があったんだけど、やっと恋仲になれたのだと嬉しそうにお話してくれた。
葉月ちゃんとは一緒に働いてるしお友達だし、葉月ちゃんが嬉しそうにしていたら私も嬉しくなっちゃう。
そして羨ましい。
いいなぁ、私もいつか出逢いたいなぁ…

…おっと話がそれちゃった。

それからもう一人が黄色に毛先が赤い髪の派手な人。
いもようかんを10皿注文。
この時点でもう凄かったんだけど、更に追加でお持ち帰り100個。
食べながら「うまい!」って叫んでて元気な人だなと思ったんだけど、…わっしょいって何?

最後に桃色と黄緑色の髪のおさげの女の子。
お団子に桜餅とあんみつと…
葉月ちゃんが運びきれないと他の子と一緒に私も参戦したんだけど、もう何運んだか覚えてない。
あんなに食べてあの二人は大丈夫なのかと他の子達と一緒に心配していたのだけど…


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