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夢と現実と時々妄想

第2章 偶然


カランカランーー

レトロな雰囲気漂うお気に入りのカフェ。
ここは私の行きつけのカフェで休日は大体ここに来てゆっくり癒しの時間を過ごすことに決めている。

「…?」

なんとなく見覚えのある人物がソファ席に座っていた。

「…セイヤ……?」

「……? あぁ………あんたか。」

「その間、ほんとに覚えてる…?!」

ぼんやりとしながら私を見上げる彼は
この間凄まじい勢いでワンダラーを一掃していた人物と同じ人とは思えない。
なんというか隙がある。というか隙だらけのようにさえ見える。

「あぁ。この間怪我をしていた…」

えっと、と言いながらセイヤは少し目を泳がせる。

「夢主!名前は覚えてなかったのね。今度からは覚えてくれると嬉しいな。」

「それは、すまない。夢主…夢主。よし、覚えた。」

セイヤは呪文のように私の名前を呟いて頷く。
顔を上げて少し微笑んだ顔がなんだかあどけない。

優しい眼差しがくすぐったく思わず顔を背ける。

「…また会えて嬉しい!あ、そうだお礼!」

「あんたが俺を探してるんじゃないかと思っていたが、連絡先が分からなくて困っていた。」

「また会えるって気がしてたの…!」

「……?」

「セイヤもハンターなのよね。だから任務とかできっとまたどこかでいつかは会えるだろうなぁって!」

「…フフッ…そうだな。信じていれば必ず叶う。」

なんだかからかうようにでも真剣に話す彼に調子を狂わされる。

「あんたのこの間の必死な顔、思い出していたんだ。お礼をしないと気が済まない!!って、律儀なんだな。」

少し物真似をするような話しかたのセイヤに私はムッとする。

「もうっ!からかわないで…!」

「悪い悪い、あんたの反応おもしろいな。」

「ところでセイヤ、あの時のお礼…したいんだけど。何か好きなお菓子とかある…?もしよければ作りたいの。」

「あんた、お菓子作りができるのか。へぇ、そうだな。それじゃあんたが1番得意なものが食べたい。」

「わかった…!」

今回会えたのは偶然で、もしかしたら断られるんじゃないかなという不安もあったけど無事にお礼をする約束ができた。

「じゃあ、連絡先を…」

今度こそ忘れずにセイヤにお願いして
メッセージのやり取りをできるよう連絡先を交換する。

「夢主…よろしくな。」

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