第4章 北風と太陽〜居場所のない家庭生活
後は思い当たる節はなんだろう?
そういや、家族でディズニーランド行ったのって2回しかない。随分前に子供達から他の家族はもっとたくさん行ってるのになんでうちだけ2回なのと言われてことがあった。それを不憫に思った妻が復讐に?いやいや、それはありえないだろう。
だとしたら何が原因なんだ?頭の中をぐるぐる巡らせるもの私の記憶力はそんなに若くないためすぐに出てこない。
はぁー私もだいぶ歳を食っちまったなぁ。最近の若い社員にはついていけてない部分がある。セクハラという言葉はだいぶ前からあるから知ってはいたが、今の時代はモラハラに加えてパワハラそしてコンプライアンス違反など聞きなれないものばかりだ。だから、私は会社では大人しく仕事だけに徹している。若い社員には仕事以外は極力は話しかけない。そうすればモラハラだの言われなくて済む。
仕事の話を家に持ち込む気は無いが、少しは聞いてほしいと思ったこともあった。しかし、家族がこの有様ではとても話す気にならない。
妻への態度のどこがいけねかったのか思い当たる節は色々と出てくるがこれだ!という確信したものは特にない。
何が原因なのかイマイチぱっとしなくてモヤモヤする。心の中にモヤがかかったみたいにどんよりしている。
そんな時に妻からあるプリントを渡された。
「こんなこと言いたく無いですけど、琢磨の中学の草取りって出られます?ここんとこ掃除に家事に料理教室に疲れちゃったのよ。それに週末は手芸サークルの人たちとランチあるからあなたが行ってきてくださいね。」
うっ、こっこれは・・・妻はいつもそうだ。こういう厄介ごとは断れない雰囲気を作ってまるで脅し文句かのように私に押し付けてくるのだ。こうなったら仕方あるまい。
「わかりました。出ます。」
こう言うしかないのだ。
私は仕方なくプリントを受け取って出ることにしたのだがプリントには親子で参加をお願いしますと記してある。
やばいぞ!琢磨が知ったらなんて言うか?でも従うしか無いのでとりあえず琢磨に聞いてみることにした。
しかし、この話を聞いた琢磨が自分の部屋から出てきて言った。
「ええーー?お母さんが出てよー。」