• テキストサイズ

現代版おとぎ話

第3章 かぐや姫〜メンズは全部私のもの


映画同好会に所属して半年が経ち夏休みに差し掛かる頃に2年生の渡辺悠介先輩より告白された。

「沙希ちゃんって愛嬌あって可愛いなと思って最初はそんなふうに思わなかったんだけどよかったら俺と付き合ってくれませんか?」
必死に手を伸ばしてるところを見ると真面目かよ!?と思ったけど私は受け入れることにした。だって人生初の彼氏なんだもん。
「私でよければお願いします。」
元々サークル仲間同士でLINEは交換してあったのでその後の連絡もサクサクと進んだ。
「あの、夏休みどうやって過ごすとか予定ありますか?」
私がそう聞くと考えながら悠介先輩は言った。
「まだ決まってないんだよねー。バイトも入ってるからさ。予定確認しないと。」
「なんのバイトをやってるんですか?」
「喫茶店でコーヒー出したりしてるよ。お陰で去年はバリスタの資格も取ったんだ。元々、自分の喫茶店を開くのが夢でさ。そんなら製菓学校にでも行けばいいじゃん?って思うじゃんか?だけど、この学校には食育科があったし映画も好きで映画同好会があるって知ったから入ったんだ。一応、食育科だから食べ物のことは学んだり、実際に作ったりしてるんだぜ。沙希ちゃんはアルバイトは何やってんの?」
「私はハンバーガー屋です。そこがたまたま受かったので。塾だと夏休みが厳しそうだなって。」
「確かに。夏期講習やってらんねーよな。大変だもんなー。じゃあさ、夏休みの計画立てたいから連絡くれよ。」
「了解です。」
「あとこれから付き合うんだしサークル以外はタメ口でいいから。俺のことは悠介って呼んで?」
「はい、努力してみますっ。」
私は彼氏ができたことでメイクや髪型もこだわるようになった。今までショートヘアーだったのに気がついたらセミロングになっててなんならと茶髪にしてパーマもゆるくかけた。悠介は明るくこわいくなったねと褒めてくれた。
それが何よりも嬉しかった。

しかし、当の柚莉愛は私に彼氏ができたことが面白くないのか不満げだった。本当は彼氏ができたんだと報告してもよかったが過去に色々あっただけに柚莉愛には言ってなかったのだ。でも、風の噂でも舞い込んできたのだろう。

友達ではなくあくまでも幼馴染みという関係だし別にいいやと教えなかったのが気に障ったのだろうか?
/ 161ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp