第1章 シンデレラ〜継母との確執
私がドアの鍵を開けるとそこを動くな!と警察官が玄関に入ってきた。何事かと思ったのか玄関先に姉たちが向かうと表情が変わってワナワナと震え始めた。
「山田さんはこっちです。」
「佐伯さん、ありがとうございます。」
「ちょっと待ちなさいよ!」
すると母が私の腕を掴んできた。
「逃がさないわよ。あんたは外に出るなと言っただろう?」
私は母を睨んで言葉を返そうとした。その時に佐伯さんが言った。
「あなたたちのしてきたことは犯罪です。詳しくは弁護士の私を通してください。」
「でたらめいうんじゃないよ!!!」
暴れる母を警官2人が押さえ込んだ。それを姉たちは呆然と見ているしかなかった。
私は佐伯さんの車に乗り込んで警察署に出向いた。程なくして警察官から連絡が入り、姉たちもパトカーに乗ってもらったとの通告を受けた。
警察署で取り調べが行われて母と姉たちは最初は出まかせを言ったりしてその場を逃れようとしたのだろうが、こちら側が防犯カメラの映像を提示したり、私の腕や背中にできた傷やアザを見せると観念したのかおとなしくなった。
こうして母と姉たちは現行犯逮捕された。残るは父のみ。
「悔しいわ。父はどこにいるのだろう?それが父のお財布を見たら色んなラブホテルのカードが出てきまして持ち出してきました。」
私が涙ながらにそういうと佐伯さんが片っ端から電話してみましょうと言ってくれた。
ここからは警察官にも協力してもらい、父の行方を探すことになった。
とりあえず私は佐伯さんと車で事務所に向かった。昨日は何も食べずに飲まずだったので佐伯さんから出されたカップラーメンをすすり、グラスの水をごくごく飲んだ。
「こんなものしか用意できなくてすみません。」
佐伯さんが申し訳なさそうに謝るので"私は満足ですから"と言ってあげた。
さて、満腹になったところでどうする?果たして父は見つかるのだろうか?