第1章 シンデレラ〜継母との確執
翌日、家に帰ると母がやけに嬉しそうだった。姉たちがこの家に帰ってくるらしい。先に次女が東京から帰ってきて長女がアメリカから帰国するらしい。
あー姉たちが帰ってくるのか。あのうるさい姉たちが。散々と私を罵って暴言を吐いてたあの姉たち。
私が学校行事に行けなくなるたびにゲラゲラと笑って笑いものにした許せない2人。学校中に言いふらしやがってうちが貧乏だと思われて大変だったのよー!!
それまでになんとかしないと行けないと思った私は早速、両親の行動をチェックしながら家事に掃除に勤しんだ。
父は相変わらずたまに夜に帰ってきてはリビングでタバコを吸ってるし、母はそれを気にも求めずにキッチンで料理をしている。
「あーキッチンには入らなくていいからダイニングと廊下の雑巾掛けを頼んだよ。あっ、そうだ。姉たちの部屋も掃除してちょうだいね。うちに泊まっていくんだから綺麗にしないと承知しないよ。」
「わかりました。」
母はぶっきらぼうにそう言って冷蔵庫を開けて食材を取り出すと冷蔵庫の扉を閉めた。
ああ、やることが増える。あんたは料理しかやらないくせに!後片付けは全部、私に任せるんだから!!!!なんなのよ!!!!
そんな不満は押し殺して掃除を一生懸命に行った。
そして暫くしたある日、姉たちがずれ込んで帰宅した。
私は母と姉たちに紅茶を入れてケーキ屋で買ってきたケーキを取り分ける。もちろん、私の分はない。
「あはは、あんたまだいたの?嫁にも行けなくてかわいそうにぃ。まぁ、安心してよ。お母さんが亡くなったら私が家政婦として雇ってあげるんだからさ。それでよくない?」
次女がゲラゲラ笑ってそう言った。それに母が乗っかる。
「それいい考えじゃない。あははっ!あんたは一生こき使われて過ごすのよ。ほら早くケーキを運んでちょうだい。」
「遅れてすみませんでした。どうぞ!」
私は精一杯の作り笑みを浮かべてやり過ごすことにした。