第1章 シンデレラ〜継母との確執
仕事を辞めてから母に怪しまれることもなく私は佐伯さんの事務所に向かう。ジャージにコートを着て出向くとソファーに腰掛けた。
「さて、まずはインスタグラムについて話すと用は写真を載せて言葉を綴る絵日記のようなものだ。それは写真に留まらず自分の作った作品を載せたり絵を載せてる人もいる。そこでまずはアカウント作りからだ。アカウント名を考えてもらいたいのだが本名やあだ名は継母にバレる確率が高いので辞めること。万が一スマホの中を見られたとしてもバレないところにインスタグラムを移動する必要がある。計算機の入ってるところの次のページに入れておくといいよ。」
「ありがとうございます。やってみます。」
早速、佐伯さんに言われてインスタグラムをインストールすると登録が必要とのことだった。私のgmailとパスワードを決めて打って登録した。
「アカウント名か。」
私が考えていると佐伯さんがカフェラテをテーブルに運んでくれた。
「カフェラテでも飲みながら考えるといいよ。」
「ありがとうございます。カフェラテ?ですか?」
「もしかしてご存知ない?」
「はい、お恥ずかしいんですけど・・・すみません。」
私は照れ笑いをしてカフェラテを飲んだ。
なんでこんなにおいしいのー?この世のものとは思えない優雅で美しい飲み心地にどっしりとしたミルク感・・・初めて飲んだこれがカフェラテというのね。
素晴らしいわ!そう思うとなんだかアカウント名が思いついた。
「アカウント名はMiss returnね!私の名前がみすゞだからみすはミスってこと。最後の文字はひらがな返しだからリターン!これなら気づかれないはずよ。このアカウント名どうですか?」
「いいんじゃないかな?早速登録しようか。」
「はい、あの・・・アカウントのアイコン?写真は何にしましょうか。」
私は考えながら佐伯さんに聞いた。
「顔写真はやめておいた方がいいし顔のパーツ例えば顎だけ映るとか手だけ映るのもバレやすいからイラストがいいと思う。それならうちにあるフランスのパリの写真が入ってる写真立てがあるからそれを写すといいよ。これならバレにくいし。でも漫画を描いていくならイラストがいいんじゃないかな?」
佐伯さんのアドバイスを聞いて自分で描いた絵をアイコンにした。」
アカウントはMiss_return01
名前はリタ子
リターンから取った名前にした。