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現代版おとぎ話

第1章 シンデレラ〜継母との確執


まず最初に思いついたのは以前、母が言っていた防犯カメラだ。ここにありのままの日常を映して証拠にすれば警察に届けやすいと思ったからだ。仕事の帰りに家電量販店に行って防犯カメラを見つけるもお値段が高くて私にはとても買えそうにない。
「どうしよう・・・。」
私がとぼとほと歩いていると誰かにぶつかってしまった。
「あっ、ごめんなさい。」
私が咄嗟に謝ると向こうの人は笑顔でこう言った。
「こちらこそ、すみません。本を読みながら歩くなんてどうかしてますよね。えっとその・・・何かありましたか?」
「えっ?」
私はぶつかった人をマジマジと見た。メガネをかけてハットを被ったその男性はいかにも若く見えた。コートを着ているところを見て紳士的かなと思った。
「どうしてですか?」
私がそう聞くと男性は嬉しそうに言った。
「職業柄わかるんですよ。何かお困りかなって顔してたので。あっ、名前を名乗らなくてすみません。僕はこういうものです。」
その男性から名刺を渡されて見ると探偵事務所兼顧問弁護士事務所と書いてあった。
「いえ、これは受け取れません。私・・・お金ないので。」
私が名刺を返そうとすると男性が私の方に名刺を押し返して咳払いをした。
「初回は無料で相談に乗りますよ。ぜひ、うちの事務所に行きませんか?」 
「はぁ・・・。じゃあ、お願いします。」
私はこの人に出会ったのも何かのチャンスだと思って受け入れて車に乗り込んだ。そして男性が働く事務所に向かったのであった。
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