第1章 シンデレラ〜継母との確執
「でもさ、みんなで協力して行くんだよ?協調性とかも自然の豊かさとかも学べるしいいと思うんだけど・・・だめかな?」
私は作り笑みを浮かべて言った。
継母の前だとどうしても自然な笑顔になれない。
「そんな頼み方じゃダメだね!しかも、あんたのリュックサックはないんだよ?あんたがキャンプに行くためにこっちは用意しなきゃならないなんてごめんだね!わかったらサッサとテーブルを拭くんだよ!」
台拭きをテーブルに叩きつけられて私はため息をつきながらテーブルを拭いた。結局、あの後も幾度もキャンプに行きたいとせがんだし、父にもお願いしてみたが結果は変わらずに私は学校行事のキャンプに行けなかったのだ。
キャンプ当日に母が学校に電話して娘は熱を出したから休ませると適当なことを言って電話を切った声だけリビング中に響いていた。
仕方なく私は1日中、掃除や洗濯で忙しかった。
学校の運動会や音楽会も休まされてモヤモヤした1年が続き、私は小学6年生となった。6年生になると東京見学や海の家という行事で目白押しだがそんな行事には参加させてもらえずにまたしても母の言い分で休まされてしまった。
ああ、悔しい悔しい。中学の自然学習も修学旅行も行けなかったし、高校の修学旅行も行けなかったなんて・・・。
だから私には学生時代の思い出なんてない。友達と遊んだ記憶は小学校低学年の時のままだった。
中学の時も高校の時も文化祭だけは行きたかったが、許してもらえずにお前はわがままだと叩かれて掃除をさせられた。
そんな日々を送っていても自殺とか家出の迷いがなかったのはある童話のおかげだ。それはシンデレラ。私も同じ境遇にいる。いつか王子様が迎えにきてくれると信じていたからここまで頑張って来れた。
私は今日、誓ったのだ!母から逃げずに戦おうって。私ももう大人にんだから立ち向かえる!それには戦う準備が必要だと思った。