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現代版おとぎ話

第6章 鉄のストーブ〜宗教団体の隠された秘密


これは俺が大学生の頃の話だ。高校を出た俺は地元の大学ではなく都会の大学に進学すべくアパートを借りて一人暮らしを始めた。その時に出会ってしまったのだ。

よからぬ宗教団体にー。


俺の名前は坂井悠太。高校を卒業したばかりの19歳だ。大学を出たら一流企業に入るんだと胸わ膨らませていたある日、俺の家のチャイムが鳴った。

ピンポーン。
「はーい。」
モニターを見ると知らない若い女性と男性が立っていた。なんかのセールスだったらお断りだぜ。とりあえずドアを開けて話を聞くことにした。

「聖斗協会に興味はありませんか?」
「はい?」
若い男女がにこやかに俺にパンフレットを差し出してきた。宗教の勧誘だとすぐにわかった。そういえば前に実家で留守番してた時もエホバの証人だっけか?宗教団体の外人から誘いを受けたっけ?あの時は丁寧に断っておいたけど、今度は日本人の男女か。そう簡単には引き下がってくれないだろうなとは思いつつも丁寧に断ってみる。
「いえ、こういうのはちょっとー。今、勉強も忙しいんで無理かなーと。やめておきます。」
俺がパンフレットを突き返そうとすると男がぐいぐいとパンフレットを俺の腹に押し当ててニッコリして言った。

「今すぐじゃなくていいんですよ?時間をかけて考えてみてくださいね。怪しいものではありません。ほら、キリスト教とかイスラム教とか色んなのあるでしょ?その一つだと思ってもらえれば結構です。興味が湧きましたら足を運んで見てくださいね。それじゃあ!」
「あっ、ちょっとすみま・・・行っちゃったかぁ。このパンフレットどうすんだよ!?」
無理矢理にパンフレットを受け取ってため息が漏れる。あの男女はそそくさと帰っちまうしどうしよー?でも一応ただ捨てるのも勿体無いし見てから捨てるか。俺はそう思って玄関のドアを閉めた。
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