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現代版おとぎ話

第1章 シンデレラ〜継母との確執


流石に料理だけは母が作ってくれる。しかし私がキッチンに入れるのは残り物を食べる時と掃除の時だけ。冷蔵庫から勝手に飲み物や食事を出すことは許されていない。

「まったく!私のいない間に化粧して男に媚を売りに行くなんてどうかしてるよ。今後は仕事以外の外出は禁止しますからね!そうだ、家に防犯カメラつけなくっちゃ。」
「ごめんなさい。わかりました。」
今は建前でもいいから謝っておくしかないと思った私は頭を下げてから立ち上がった。

食器を下げて洗ってからお風呂を沸かした。当然、お風呂もみんなが入った1番最後だったので冷え切ったお風呂を沸かし直す必要があった。それでもお風呂に入れるだけマシなのかなと思った。トリートメントやリンスは使えず、わずかなお金で買った全身シャンプーで頭も体も洗う。私だってCMでやってるようなシャンプーやボディーソープなんか使ってみたいと思うけどな。

お風呂から上がって着替えて髪の毛を乾かしてから歯を磨いた。
自分の歯磨き粉は少ないお金でなんとか買っているけどほんの少ししかつけず磨く時間も短め。まぁ、虫歯になったことないだけは救いか。

それからも寝る前ギリギリになっても掃除や色々を言いつけられて寝るのは深夜を回ってから。

明日早番なのに。ぽつりと呟いてベッドに入った。早番ならまだしも夜勤明けで帰ってきてもお昼寝もさせてくれずに眠気と闘いながら色々と言いつけられたことをこなす日々。

どうやったらこの家から出られるのかとそればかり考えている。

母から時々もらうお小遣いも歯磨き粉や生理用品で消えてしまうし・・・。

でも職場で話すわけには行かないし・・・。私はこんな時にシンデレラの話を思い出した。


素敵な王子様か・・・現れるかな?なんてね。

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