第22章 蘇る過去
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携帯で時刻を確認すると7時になっていた
私はどれだけここで蹲っていたんだろう。
帰らなきゃ…
立ち上がろうとしたが
「〜っ!」
お腹と肋骨がズキンとした
恐る恐る制服の裾を捲ると
見るに堪えない酷く焼けた皮膚と痣だらけの肌が見えた。
こんな姿を家族に見られたら…きっと心配されるだろう
なので私は帰りに薬局に寄り、応急処置が出来るものを買い、お店のトイレで手当てをした。
火傷はなんとかなるけど骨が…
恐らく何本かヒビが入っている。
でも我慢だ、家族に…お兄ちゃんに迷惑をかける訳にはいかないから
そして私は家によろよろとした足取りで向かった。
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「ただいまー!」
私は怪我していることがばれないように笑顔で明るい声で言った。
高尾「!遅かったじゃん、何してたんだ?」
「あー、野良猫ちゃんが可愛くてついついずっとあと追っちゃった…ははは。」
高尾「ふーん、まぁ無事でよかった!何回も電話したんだぞ〜?」ギュッ
ズキッ
「ッ!」
高尾「?」
「な、何でもないよ!心配してくれてありがとう♪」
咄嗟に私は誤魔化した。
高尾「おう!」ニコッ
私はお兄ちゃんが笑っていてくれればそれでいい。
私が犠牲になってお兄ちゃんが助かるんだったら…