第14章 再会
留学して早くも半年が過ぎた。
アルのファンは一定数存在する。美男子だから仕方ない。害がないなら気にしないことにした。
そんな頃、メリアから手紙が届いた。ネーフェル王国に住む親族の家に来るそうで、会えないかという内容だった。私は二つ返事で承諾。
イクスが部屋を貸し出してくれるそうで、私はお願いすることにした。手紙には、アルも同伴で大丈夫だとあったので一安心。ダメだったとすれば、絶対にごねる。アルが。
そして、思いの外。その機会は早くに訪れた。
私はメリアとの半年ぶりの再会に喜び、抱き合った。が、直ぐにアルに剥がされたのだけど。でも、メリアはそんなものだよねくらいにしか思っていない。
そうそう、部屋を借りるのだから紹介しなくちゃ。
ん?紹介・・・。
「イクス様・・・っ!!?」
イクスはメリアに近付き、目の前で膝まづいた。
「私と結婚してください。」
「えぇ、喜んで。」
えぇっ!!!?何これ。
「やっぱりな・・・。こうなると思ってた。」
「えっ、どういう事?」
「お互いが好みなんだろうなとは思っていた。」
「そ、そうなの?」
あ、何か、二人の世界に入ってる。
「フェリシア嬢、この出会いをくれた事感謝します。」
「フェリシア、私からもありがとう。本当はね・・・お見合いから逃げて来たの。だって、相手はお金持ちだけど好みじゃなかったんだもの。だったら、お父様は自分で見つけてこいって言うから・・・。」
「そう・・・なのね。えっと・・・良かったね?」
「えぇ、本当にフェリシアに会いに来て良かったわ。」
この事は、直ぐに報告されて迅速に話しが纏まった。きっと、王子が動いたのだと思う。メリアのお父上も、次期国王の従者が約束されている侯爵家との縁続きは嬉しかったのだろう。
「それで、お見合いの相手ってどんな人だったの?」
「お父様の職場の同僚の息子さん。十五歳年上なの。」
「断わって大丈夫だったの?」
「国では、モーリス様とセーラン様が尽力してくれたの。それと・・・アルベルト様のお父上の助言もあったらしくて。アルベルト様もありがとうございました。」
「気にしないでいい。」
あ、何か既視感?まさかと思うけど・・・このまま二人が結婚したら、メリアはこの国嫁いでいく訳で・・・。そうしたら、私とそう簡単に会えなくなる?