第4章 学園入学
婚約を結んでから三年後。
それなりに、色々とありました。何処をどう聞きつけてか、私たちのデートの場に現れる王子とそのご一行たち。
そして、アルベルトの見た目だけで群がって来る可憐な令嬢たち。そんな可憐な令嬢たちも、重すぎる愛情を婚約者に浴びせている状況を見て、戦線離脱するのを何度も見て来た。
もう一声言うと、王子の婚約者はまだ正式に決まっていない。でも、ヒロインも入学してくるのだ。一日も早く愛し合って、茨の道を越えて纏まって欲しい。
各言う私は、アルベルトにほぼ洗脳されて楽しい日々を送っていた。愛情過多の日々を送っていれば、それも慣れて来る。いいよね、思い合った同士だもの。
入学式の当日。アルベルトと共に、学園へと向かう。私にベッタリのアルベルトに肩を抱かれてイチャイチャ。キスだって、婚約した日に奪われてしまった。
あれから三年。執着が収まるどころか、より一層強まるばかり。そう言えば、同じクラスになれるかな?同性の友人なら、少しは出来たけれどアルベルトと同じクラスになりたい。だって・・・ゲームの世界では、王子と青髪攻略者と同じクラスだったんだもの。
アルベルトがいなければ、怖くて学園に通えない気がする。不安な顔をしていたのだろう。安心させる様に、アルベルトがこう言った。
「クラスなら、同じだから心配ない。」
「えっ、どうして知っているの?」
「ただ、Sクラス(特進クラス)だから、余計な輩もいるけど。大丈夫だ、友人の二人も同じだから。」
素直に喜べばいいのか疑問だったけれど、まぁ喜んでおこう。気にしたら負けだ。そして、ゲーム通りにヒロインも同じクラスだった。
何故か、私がアルベルトと一緒にいたから、凄く驚いた顔をされた。まさか、私と同じ転生者?そうだったとしても、私は王子とは関係ないので勝手に愛を育んでください。いっそ、応援します。陰でですが。
入学式が滞りなく終わり、それぞれが教室へと向かう。キュッと握り締められた手は、いつもの大きな手に包まれていた。
「へぇっ、その子がアルベルトの婚約者か。」
「あぁ、そうだ。」
「随分、入れ込んでいる様じゃないか。まぁ、分からなくはないけど。」
その一言で、キッと睨むアルベルト。でも、相手は気にした素振りはない。