第18章 帰国
久しぶりに国へ帰る事が決まりました。彼是、数年の月日が過ぎて、すっかりアルは私より遥かに大きくなっていてより一層の美男子になっていました。
そして、私も女性として上手く育ってホッとしています。でも、きっとアルの恩恵があったのだと思います。そう、私たちは十六歳になっていました。
アルの私への執着は相も変わらずで、最近は愛情過多。ハッキリ言って、嬉しいです。だって、アルの見目は本当に素敵だから。そんな人が私にだけ愛情を示してくれる。
だから、この一年前から・・・アルのスキンシップは露骨になったのに受け入れました。でも、それがあったからなのか、私のお胸は育っています。
お世話になっているバクス家の一室。アルは腕の中に私を抱き入れ、両手は私のお胸の位置。
「フェリシアは柔らかいな。」
「アルは大きい方が好みなの?」
「どっちでもいい。フェリシアだということが重要だ。」
「そんな事言って、この前私が寝落ちしたら・・・」
「あぁ、フェリシアの胸を舐めた時の事か?」
「その前の時だって・・・」
「フェリシアの決心を待っているのだから、味見くらいはいいだろう?私たちは王族でもないし、数年後には夫婦になることが決まっているんだから何も問題ないと思うのだが。」
アルの色は隠さなくなった。本当なら、今すぐにでも肌を合わせたいらしい。
と言っても、もう六割くらい食べられている様なものだけど。私だって、アルが嫌な訳じゃない。ただ、恥ずかしくて勇気が出せないだけだ。
そうそう、キャサリンは一年の留学の末、先に帰国。キャサリンからも、色々と情報を得られている。あの王子は、国王様から直接に婚約者を決められたそうだ。
かなりの反論をしたと聞いた。でも、ただの我儘でしかない王子に国王様はその反論を却下したそうだ。
「それに、明日には帰国だ。その前に、私はフェリシアの全てが欲しい。爪の先程の憂いさえも失くす為に。」
「どういう事?」
「婚約者が決まった事は聞いたよな?」
その問いに私は頷く。
「それでも、アイツは拒否し続けている。お互いに親睦を深める為の茶会ですら姿を現わさないそうだ。」
「国王様は何って?」
「父上に何とかフェリシアとの婚約を解消出来ないか、言って来たそうだ。」
「えっ、そんなっ!!」
そんな事を国王様に言われたら、誰も逆らえない。