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異世界転生したらゲームの悪役令嬢でした

第17章 足掻く者に蓋をする


ゼフの処遇は、簡単で迅速だった。従者の役割は外され、領地に引っ込む事になった。

そして、約束の話し合いである。

「アルベルトの要望なら、何でも聞こう。」
「何故、ロベルトがそれを決める。」
「理由を並べて欲しいのか?」
「並べなくとも理解している。」
「それで、アルベルトの要望とは?」
「モーリスへの支援だろう?」

皇子は、分かっていたかの様にそう言った。

「もう一つあるのだが。」
「この際だ、何でも言ってくれ。」
「この国はダイヤモンド鉱山が有名だろう?とびっきり大きくて質のいいものを私に買わせてくれ。」

誰もが、私を見た。意味が分からず、首を傾げる私。

「そういうヤツだよな、アルベルトは。どちらかと言えば、こっちが本命か。モーリスも大変だな。」
「ですが、アルベルトがいるなら安泰でしょう。」
「それもそうだな。分かった。申し伝えておく。」

話し合いが終わった後、私はアルに訪ねた。

「ダイヤモンドをどうするの?」
「私との婚姻の時に、装飾品として使う。きっと、フェリシアには似合うと思う。」
「そ、そんな国を上げての宝飾品なんて、私には分不相応だと思う。」
「そんな事はない。きっと、よく似合う。」

あぁ、ダメだ。これは断われない案件だ。

「ねぇ、それとモーリス様の支援って言うのは?」
「それはその内に分かる。それに、アイツはまだフェリシアを諦めていないようだからな。だから、婚約者も未だ決まっていない。」
「えっ、そんな・・・。」
「クラウドから使えないヤツは捨てられたし、もう暫くはこの国で世話になろう。それと、タータルにはこのまま領地で引き籠って貰う様に手筈も整えている。アイツに絡まれてダットン嬢に何かあれば、フェリシアの憂いとなるだろうからな。」

エリシアの為じゃなく、私の為だ。アルは私の為にしか動かない。

「アル・・・あまり怖いことしないでね?アルがいなくなっちゃうのは嫌だもの。」
「私たちが一緒に居られる為の行動だ。」
「それならいいのだけど。」
「私のフェリシアが可愛い。早く食べてしまいたい。」
「ア、アルっ・・・。」
「好きだ、フェリシア。」

こうやって、アルにオトされていくのだろうな。一応は、一件落着なのかな。
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